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カサノヴァに続いて、最近読んだ本について。
The Picture of Dorian Gray / Oscar Wilde
(邦題・ドリアン・グレイの肖像 / オスカー・ワイルド)
“ドリアン・グレイの肖像”はオスカー・ワイルドの唯一の長編小説であり、今までに何度か映画化もされているし、誰でもタイトルは聞いたことあると思う。
画家バジルの絵のモデルとなったドリアン・グレイは、大変な美貌の持ち主だった。
ドリアン・グレイはバジルの知人ヘンリー卿に、“若くて美しいうちに楽しまなければいけないよ。”とそそのかされ、出来上がった肖像画の美しさをみて、怒りに震える。
“なんて惨めだろう、僕はこれからどんどん年老いていくのに、この画はいつまでも若々しく美しいままだなんて!これが逆なら、年老いていくのがこの画の方だったら、僕は自分の魂さえ投げ出してもいいのに!”
こうして彼は悪魔に魂を売り、永遠の若さと美貌を手に入れた。
しかし、その身代わりに彼の肖像は彼が悪徳を重ねる度に醜くなっていく…という話。
留学する前に早稲田でとっていた必修科目の授業で、ワイルドの書いた童話をいくつか読んだけど、
ワイルド特有の皮肉っぽい物の書き方が、どうにも好きになれなかった。
とくに、結局話のオチが“キリスト教的観点から見た善”でまとめられているのが、あたしにとって読み応えがないというか、ようするにつまらなかったわけです。
(英文学を学んでいる人の読み方は全く異なるだろうし、そもそも子供向けの童話なので当たり前なのだけど。)
しかし前から気になっていた本だったので(実家の本棚にあったが英語の本を読むのが億劫で手を付けずにいた)、寝る前に少しずつ読みはじめてみた、ら。なんと!
読める、読める!
授業での専門的なリーディング等に知らない間に鍛えられたのか、英語で小説を読むのが、全く苦じゃない。
もちろん分からない単語はたくさんあるけど、辞書がなくてもちゃんと概要はつかめる。
特にワイルドの書いた童話や小説は会話文が多く、とてもテンポよく読める。
授業でいやいや読んでいた時には気付かなかったけど、彼の風景描写はとても美しいことに気付いた。
また、醜くなっていく肖像が、どのように醜くなっているかが特に書かれていないのが面白かった。
肖像がどのように変化していくかは、ほぼ完全に読者の想像に委ねられてる。
ラストシーンまで、自分の頭の中であれこれ想像しつつ読み進めていくので、飽きっぽいあたしも退屈せずに最後まですぐに読み切ってしまった。
もっと英語の本を読もうという気にもなった笑
内容についての感想は、もう少し時間をかけて考えをまとめてから。
良い本を読んで、その本に関してあれこれ考えるのが、読書の醍醐味なので、ね。
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Re:無題
読みやすいのに読んだ後色々考える事ができるのがワイルドの本の良いところだと思います!
読者の想像に委ねられる部分が多いからか、今まで3回映画化されたのに3つとも全く違って面白いです!
読者の想像に委ねられる部分が多いからか、今まで3回映画化されたのに3つとも全く違って面白いです!
Author:
HN:
Sakuya
年齢:
35
性別:
女性
誕生日:
1990/02/21
自己紹介:
東京、W大学に通う3年生。
2010年9月からイタリア・ヴェネチアに留学中。
高校時代ユネスコ活動を通して海外に関心をいだき、
2年生で米国コロラド州に一年逃亡。
大学入学してすぐピーターパン症候群による半年の休学を経て、現在一応宗教学について勉強中。
2010年9月からイタリア・ヴェネチアに留学中。
高校時代ユネスコ活動を通して海外に関心をいだき、
2年生で米国コロラド州に一年逃亡。
大学入学してすぐピーターパン症候群による半年の休学を経て、現在一応宗教学について勉強中。
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